「老舗」という言葉には、なんとなく重みがありますよね。長年通い続けているお気に入りのお店が、ある日突然閉まっていた。そんな経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。逆に、「久しぶりに行ったのに、味が変わっていてがっかりした」という声も耳にします。
飲食店を長く続けるって、簡単そうで本当に難しい。開店から数年で姿を消してしまうお店がある一方で、30年、40年と地域に根ざして愛され続けるお店があります。その差は、いったいどこにあるのでしょうか。
千葉県船橋市・JR津田沼駅から徒歩圏内にあるお好み焼き・もんじゃ焼きの専門店「粉と水」は、今年でちょうど創業30年を迎えました。オーナーシェフの蜂谷正直が、高校時代に遊び場だった津田沼に29歳で開業して以来、ずっとこの場所に立ち続けています。
この記事では、老舗の看板を守るために蜂谷が毎日欠かさず続けていることを、本人の言葉と経験をもとにお伝えします。「長く通えるお店」を探しているお客様に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
こんな方におすすめ
- ✅ 津田沼・船橋エリアで長年愛される老舗を探している方
- ✅ お好み焼き・もんじゃ焼きの「本物の味」にこだわりたい方
- ✅ 記念日や特別な日に、安心して通えるお店を見つけたい方
- ✅ 子連れや家族でゆっくり食事ができる禁煙店を探している方
- ✅ 常連として行きつけのお店を作りたいと思っている方

元サラリーマンが飲食の世界に飛び込んだ理由
蜂谷正直のキャリアは、飲食とはまったく縁のないところから始まりました。広告会社、出版社と、いわゆる文化系のビジネスパーソンとして働いていた彼が、なぜ鉄板の前に立つことになったのか。
「サラリーマン時代は、それなりに充実していましたよ。でも、どこかで自分の手で何かを作り上げたいという気持ちがずっとあって。ある時、神楽坂の『神楽坂もんじゃ』に食べに行って、鉄板の前に立つ職人さんの姿を見ていたら、自分もこういう仕事がしたいと思ったんです」
その直感を信じて、蜂谷は神楽坂もんじゃで修行の道に入ります。広告や出版で培った「人に何かを伝える力」は、料理という言語を通じてお客様に届けるものへと形を変えていきました。そして29歳のとき、高校生の頃にいちばん馴染みのあった街・津田沼に「粉と水」を開業。当時の津田沼は今と同様、マンションが立ち並ぶベッドタウンとして多くの人が暮らす街でした。「この街の人たちの、食卓の一部になりたかった」と蜂谷は振り返ります。
「粉」と「水」の黄金比を、今日も追いかけている
店名の「粉と水」には、蜂谷のこだわりがそのまま込められています。お好み焼きの生地を決めるのは、小麦粉と水の配合。シンプルに見えて、この比率がほんの少しずれるだけで、焼き上がりのふんわり感や食感がまったく変わってしまいます。
「毎朝、仕込みを始めるとき、まず気になるのは気温と湿度なんです。今日は少し蒸し暑いから生地がまとまりやすいな、とか。同じレシピでも、季節や天候によって微調整が必要で。30年やっていても、まだ正解を探し続けている気がします」
一番出汁を効かせ、ふんだんに芋を入れて仕上げるふんわりお好み焼きは、地元のお客様から長年支持されてきた看板メニュー。もんじゃ焼きは、2種類のだしを合わせた「Wスープ」に基本の野菜6種類を組み合わせ、奥行きのある味わいを生み出しています。こうした細部へのこだわりが、30年間ブレることなく続いているのは、蜂谷が毎日の仕込みを「今日初めてやること」くらいの気持ちで向き合っているからかもしれません。
分厚い鉄板で焼き上げることも、店のこだわりのひとつです。ご家庭のホットプレートとは段違いの蓄熱量が、均一な火入れと独特の香ばしさを生み出します。「同じ食材でも、鉄板が違うだけで味が変わる。それを体験しにきてほしいんです」という言葉には、職人としての自信が滲んでいます。
✓ ここまでのポイント
- 蜂谷オーナーは元サラリーマン出身。神楽坂での修行を経て29歳で津田沼に開業し、30年間この地に立ち続けている。
- 「粉と水」の店名通り、生地の配合は毎日の気温・湿度を見ながら微調整。一番出汁とWスープへのこだわりが、変わらぬ美味しさを支えている。
お客様一人ひとりの顔を覚えていること
老舗が老舗たる理由は、料理の味だけではありません。蜂谷が毎日意識していることのひとつに、「お客様の顔と好みを覚えること」があります。
「常連のお客様がいらっしゃると、前回のご注文を思い出して『今日もあれにしますか?』とお声がけすることがあります。そういう小さなやりとりが、お客様との信頼につながると思っていて。30代から70代まで、本当にさまざまな年代のお客様が来てくださいますが、それぞれに合わせた接し方を心がけています」
デートで訪れるカップル、仲間と鉄板を囲む友人グループ、ご夫婦やご家族連れ。津田沼という街で長く生活する人たちの、その時々の「ハレの日」に立ち会ってきた積み重ねが、今の粉と水をつくっています。
お好み焼きやもんじゃ焼きを「自分で焼くのが不安」というお客様には、スタッフが一緒に焼くサポートも行っています。初めての方でも安心して楽しんでいただけるよう、気負わずに声をかけてもらえる雰囲気づくりが、日々のスタッフの役割でもあります。
完全禁煙・アレルギー対応・子連れOK。「誰でも来られる店」を守り続ける
老舗と聞くと、なんとなく「常連さん向け」「入りにくそう」という印象を持つ方もいるかもしれません。粉と水が長年大切にしてきた姿勢は、それとは正反対です。
まず、全席完全禁煙。小さなお子様連れのご家族やベビーカーでのご来店にも対応しており、離乳食の持ち込みも歓迎しています。「たばこの煙が気になって、子どもを連れてお好み焼き屋に行けない」というお声をずっと聞いてきたので、開業当初から禁煙にこだわってきました、と蜂谷は話します。
アレルギーや宗教上の理由でタブーとなる食材についても、お申し出いただければ対応できる範囲で取り除いて調理します。「食べられないものがあるから、外食は諦めている」というお客様にも、できる限り楽しんでいただきたいという気持ちがあります。
お店の目の前にはコインパーキングがあり、車でのご来店も便利です。車椅子でのご入店にも対応できる席をご用意しています。一人でふらっと立ち寄りたいという方も大歓迎。カウンター席はありませんが、4名テーブルに一人でお座りいただくことも遠慮なく受け入れています。
記念日に「魔法のプリン」を。特別な夜のための準備
誕生日、結婚記念日、入学・卒業、成人式、還暦のお祝い。人生の節目節目に、粉と水を選んでくださるお客様が年々増えています。
店内は淡いピンクの壁とグリーンの椅子が印象的な落ち着いた雰囲気で、特別な日の食事にもよく似合います。記念日のデザートには、人気の「魔法のプリン」をメッセージプレートに変えてお出しすることができます。また、事前にご相談いただければ、花束(別途実費)のご用意も承っています。
「毎年この日はここで食べる、というお客様がいてくださることが、本当に嬉しくて。老舗の看板を守るっていうのは、そういう時間に応え続けることなんじゃないかと思っています」
宴会やパーティーの需要にも対応しており、150分飲み放題付きの宴会コースは忘年会・新年会・歓送迎会にも好評です。30名〜48名での貸切も可能。ラストオーダーが深夜23時と遅めなので、2次会としての利用にも向いています。
まとめ|30年間、変わらないために変え続けてきた
「老舗」と呼ばれるようになったのは、気がついたらそうなっていた、と蜂谷は笑います。毎日の仕込みで生地の配合を確かめること。お客様の顔と好みを記憶に刻むこと。禁煙を守り、アレルギーに対応し、一人でも家族でも気軽に入れる空間を維持すること。どれも地味で、派手さはありません。でも、その積み重ねが30年という時間になりました。
津田沼という街で育ち、この街の人たちとともに歩んできた「粉と水」は、これからも変わらずこの場所にあり続けます。初めてご来店のお客様も、久しぶりに訪れるお客様も、どうぞお気軽にお越しください。
ご予約・お問い合わせは、お電話または公式サイトからどうぞ。スタッフ一同、皆様のお越しをお待ちしております。
📞 047-472-9624
🌐 粉と水(公式サイト)
【店舗情報】
粉と水
〒274-0825 千葉県船橋市前原西2−13−15 津田沼ニイクラビル1階
最寄り:JR津田沼駅
営業時間:火〜土 17:00〜0:00(L.O. 23:00)/日 11:30〜15:00・17:00〜22:00
定休日:月曜・祝日(年末年始休暇あり)


