蒸し暑い夜に涼む話。あの夜、僕たちは全員同じものを見ていた|津田沼 粉と水

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蒸し暑い夜に涼む話

あの夜、僕たちは全員
同じものを見ていた。

怖いのは、何十年も経ってから気がついたことだった。

月夜の湖畔に建つ洋風の別荘

雷がゴロゴロ、ゲリラ豪雨でさらに蒸し蒸しする暑さが続いていますね。こんな日は外に出るのも億劫になります。

そんな蒸し暑い夜に、少しだけ涼める話をひとつ。

子供の頃から、少し霊感があったんです。

霊感というのは厄介で、こちらが構えているときではなく、油断しているときに向こうからやってくる。基本は知らんぷりして無視するのが一番なんですが、子供の頃はまだその術を知らなくて、いろんな不思議な体験をしました。

これは、町内会の旅行での話です。3家族合わせて6〜7人の子どもたちと、ある一軒家に泊まりました。

その家がなかなかのボロ屋で、家の中をカニが歩いていたりして、ある意味子どもには楽しいことだらけ。夜になって花火をして、「じゃあ肝試しをしよう」という話になりました。

まあ小学生ですから、怖い怖いと騒ぎたいだけだったんでしょうけど。「あの門まで歩いて帰ってこよう」と、みんなで夜道を歩き始めました。

それまで晴れていたのに、急にモヤがかかってきて。不思議だなと思っていたら——

人のような形のものが、道を横切って右に進んでいきました。

みんなで顔を見合わせて、走って追いかけると——モヤのような人の形をしたものが湖畔の方へ進んでいき、右手にある洋風の別荘の中へと消えていきました。

アレは……?

小学生の子どもたちには、理解できません。その場でひとことも言えないまま、肝試しは終了。

しかし、本当に怖いのはここからです。

大人になって何十年も経ったある夜、たまたまその旅行の話になりました。酒の席でのことです。

「勘違いかもしれないけど……あの夜、幽霊見なかった?」

笑い話のつもりで言ったその一言に——その場にいた全員が、黙って頷きました。

あの時、僕たちは全員——同じものを見ていたのです。

少し涼めましたか?

怖い話の後は、鉄板の温かい光の下で🍺

鉄板割烹バル 粉と水

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